太陽は朝を告げる使者
私は今日が来たことを知った
光の中を歩くには
私のガラス玉はひび割れ過ぎている
それでも今日も社会へ紛れるために
玄関で靴を、履く
すれ違う人の笑い声が、己へのあざけりに聞こえ
隣に座る人の嘆息が、自分を厄介者だと追いたてる
遠くで囁き合う塊りが、私が独りだと悟らせ
後ろで怒鳴り合う声は、ハンマーのようにうちを砕いていく
人酔いをしてしゃがむと、邪魔くさそうな視線が投げられる
身の置き所を無くして
世界から太陽が去ると、私も穴倉へ戻る
一人の夜は愉しい
ここには何もない
留まりたいけれど
そのまま太陽を迎える勇気はなかった
だから
私は眠るのだ
明日が来ないようにと願いながら
2011年4月 アメーバブログのグルっぽ「物語の海」にて公開作品(詩形式)
2013年1月 サイト公開
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